Home 家づくりのまなびば賃貸住宅 意外な落とし穴になる? 賃貸住宅の“ニオイ”事情

意外な落とし穴になる? 賃貸住宅の“ニオイ”事情

賃貸で借りているお部屋に誰が嗅いでも生活に支障が出るような異臭をつけてしまった場合、当然借主の責任と負担で除去しなくてはなりませんが、いわゆる生活の一部として楽しむ香りニオイについても、借主の責任と負担で除去する事が求められるようになってきてます。

 

賃貸住宅のニオイを巡る一連の流れでまず起点となるのが、タバコのニオイで、主に退去時の原状回復の際の負担割合がトラブルの元になっております。
かつては喫煙も通常の生活の一部とされ、ニオイやヤニの付着、変色について、除去、修繕を借主に負担していただく事が比較的難しい事案でした。

 

当然程度の問題もありますが、「ニオイが取れない」「ヤニの付着が酷く経年以上に変色してしまった」等、状態が特に酷い場合は借主に請求するケースはもりましたが、大体がトラブルとなり、裁判になる事も少なくなかったようです。

 

そうした幾つかの裁判の中で「一般的なクリーニングで除去、修繕できない場合は、通常の使用による汚損を超える」という判例が積み重なり、国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にもそのように記載されるようになりました。

 

要は、簡単に除去、修繕できないタバコのニオイ、ヤニ汚れ、変色については、借主の負担で除去、修繕する必要があるという事を国が示したのです。受動喫煙防止の健康増進法改正の後押しもあり、今ではかなり定着し、気を付ける喫煙者も多くなりました。

 

そして最近では、「一般的なクリーニングで除去、修繕できない場合は、通常の使用による汚損を超える」という部分について、タバコに限らず、お香、アロマオイル、市販の芳香剤等、他のニオイについても問題視されるようになってきました。自分が望んでいない香りがする時点でその方にとっては異臭です。

 

感覚的にですが、古いなりの部屋のニオイ以上に問題にされる事が多い気がします。
前の入居者がつけたニオイが原因で次の入居者が決まらない可能性がでる上に、それが通常のやり方では落ちないとなれば、当然の流れでしょう。
定着しやすく、簡単に除去できない上に強い香りが増えたというのも、大きな原因の1つになっているかもしれません。

 

定着してしまったニオイの除去については、契約特約にタバコと合わせて折り込まれている事も多くなりました。そもそも、これらの使用を禁止しているお部屋も多くはないですが出てきました。

 

代表的な香りを楽しむ物について、いくつか具体的に見ていきます。

 

まずは、お香について。火をつけて煙を出す時点で、タバコに近い扱いとなります。頻繁に長期間使い続ければ、ヤニも付着し、香りも壁紙や床天井に染み付き簡単には除去できなくなります。

 

次にアロマオイル等の揮発させて香りを楽しむ物についても、頻繁に長期間使い続けると香りが壁紙や床天井に染み付き簡単には除去できなくなります。

 

市販の芳香剤についても、注意が必要で、特に香りを定着させるようなタイプのものは、文字通り室内に定着させるので、年数が積み重なると簡単には除去できなくなります。

 

体や衣服につける香水を日常的に使っている場合も、香りが定着する事があります。

 

それぞれ、定着させないようにするには、連続使用を避ける事と適度な換気が必要となります。

 

 

ここまで、賃貸の原状回復を見据えた上での香りの考え方について書いてきましたが、一概にダメという事ではありません。原状回復の際に負担が発生する可能性を理解した上で使用されるのであれば、禁止されていない限り、ご自身の思うように香りを楽しんで頂けます。

また、持ち家の場合、退去時の負担については気にする必要はありませんが、好みが変わったとか、他の家族には合わなかった際などは、定着した香りの除去を考える必要が出てくるかもしれません。

香りなどの嗜好品を楽しむ際には、このようなこともあるんだなぁと思い出して頂ければ幸いです。

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