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12:行政の災害救助・応急対策

今回は、最近よく耳にします「自助・共助・公助」の内、公助について学んで行きましょう。公助は、市役所や消防・警察による救助活動や支援物資の提供など、公的支援のことを言います。実際に災害で被害に遇った時に、国や都道府県・市町村町より、どのような救助や公的支援を受ける事が出来るかをまとめてみました。

 

1:災害救助法

災害救助法は、「災害に際して、国や地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会秩序の保全を図ること」を掲げており、法定受託事業として、都道府県知事が行い、市町村長がこれを補助する事となっています。

 

1.適用基準

この法律を適用する災害の規模等に関しては施行令に定められており、その基準は「市町村の人口規模に応じた一定数以上の住家の滅失がある場合。」とされています。

具体的な法適用については、市町村又は都道府県の区域内の人口規模に対する家屋の全半壊世帯数により判断を行う他に、「多数の者が生命又は身体に危害を受け、又は受けるおそれが生じ、継続的に救助を必要とする等、住家被害等の十分な把握ができない状況でも可能である。」つまり、被災の状況に応じて柔軟な対応をとることができるようになっています。

 

2.救助の種類、程度、方法及び期間

① 一般基準

救助の種類は災害救助法及び施工令で定められており、救助の程度、方法、期間は、内閣総理大臣が定める基準に従って、都道府県知事と一部の指定都市市長が定めるところにより、現物で行うことになっています。

2021年度時点の災害救助の一般基準は、内閣府防災情報のページに掲載されています。
http://www.bousai.go.jp/oyakudachi/info_saigaikyujo.html

 

② 特別基準

一般基準での、適切な救助や支援、方法が実施困難な場合には、都道府県知事が、内閣総理大臣と協議し、救助の程度、方法、期間を定めることができ、一般基準を超える支援ができることになってます。現物支給を超えて現金支給さえ認められています。近年の度重なる災害の状況を受けて、一般基準による対応のみでは、被災者のニーズに応える事が出来ない状況が数多く見受けられるため、特別基準を採用する事例が増えています。

 

2:仮設住宅の提供

1,仮設住宅とは

震災などの自然災害で家を失った人は、一時的に住むことができる「仮設住宅」が必要になる。自治体が用意する応急仮設住宅(建設型仮設住宅と自治体が借上げる、借上型仮設住宅の2通り)と個人が自力でつくる自力仮設住宅とがあります。

 

①応急仮設住宅

災害救助法に基づいて「住家が全壊、全焼又は流失した者であって、自らの資力では住宅を確保できない者」を対象に供与するものとされています。しかしながら実際には、災害で住宅に困窮している者に対しては、所得要件を課していません。住宅の規模は応急救助の趣旨を踏まえて、地域の実情、世帯構成に応じて設定しています。

(例 単身者用6坪 小家族用9坪 大家族用12坪 一戸当り571.4万円以内 等々)

着工時期は、建設型は、災害発生から20日以内、借上げ型は災害発生の日から速やかにとされ、使用期限は、最長2ヶ年と規定されています。

ただし、災害によっては、特例で使用期限の延長が認められる場合もあり、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震の4例では、特例が認められています。

 

②自力仮設住宅

個人が自力でつくる仮設住宅は、「自力仮設住宅」と呼ばれています。自力仮設住宅は応急仮設住宅と違い、法的担保はありません。阪神・淡路大震災では、神戸市内に約5,000棟が建設され、東日本大震災の被災地でも、相当数建設されている見込みだが、詳細は明らかになっていません。

 

2,仮設住宅の暮らしの現状と課題

阪神淡路大震災での仮設住宅では、買い物、医療、福祉などの生活利便施設が設けられず、周辺に店舗のない郊外では、不自由な生活を強いられました。また、断熱材が使用されていないなど、仮設住宅の質や性能に大きな問題がありました。また、入居選定は抽選が基本で、元のコミュニティーとの断絶、高齢者などの弱者の集積などがあり、孤立した居住者の孤独死が多く現れました。

新潟中越地震時には、この教訓を生かして、集落ごとの入居が行われ、仮設住宅の配置も近所付き合いを促す目的で玄関を向き合って配置したり、診療所・ケアセンター・理髪店などもつくられました。

 

 

3:災害(さいがい)弔慰(ちょうい)金法(きんほう)

台風や地震、豪雪などの自然災害によって亡くなった人の遺族に対する弔慰金の支給、また、その災害によって一定程度の障害が残った人に対する障害見舞金の支給、さらには住居などに被害を受けた人に対する災害援助資金の貸付を定めています。市区町村が窓口になり、国が遺族に現金を給付します。

 

4:義援金・救助物資

義援金は大きな被害が出た自然災害や事故に際し、被害者やその家族のために募集された善意の寄付であり、原則公的な受付機関(日本赤十字社や共同募金会など)により処理される。その受け入れや配分の具体的内容については、厚生労働省の災害業務計画や地方自治体の地域防災計画に定められています。

また、地方自治体は、義援金や救助物資について被害者が必要としている内容を把握し、報道機関などを通じて迅速に公表し、受け入れ・配分等の調整を行います。

 

我が国は、今までに大地震や台風など様々な大災害に見舞われ、その度に乗り越えてきました。近々には、大きな地震や、温暖化等の気候変動により、大雨や大洪水が起こる可能性が高まっています。
大災害が起った時、特に「公助」は、私たちの命を守り、生活の維持・再建、さらには地域の復旧・復興に向けて欠かせないものです。
大災害が起きて1年・2年・10年と経ち、今も災害からの復旧・復興に尽力している方が大勢います。その方々を私たちは忘れずに応援して行きましょう。

 

次回のコラムは、「復旧・復興と災害者支援」です。
今回のコラムに引き続きでの内容で、今度は実際に被害を受けた地域の経験を基に被災地の復旧・復興について学んでみましょう。

 

 

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