「漆喰」ってどんな材料なの?
漆喰の壁は「健康に良い」とか「調湿作用が有る」などの特徴があるといわれていることはご存知の方も多いのではないでしょうか? その材料としての特徴とメリットとデメリットについて解説します。
◆ひとこと解説◆
漆喰は「石灰」「食物繊維(スサ)」「海藻糊(ツノマタ等)」の3つの素材からできており、古来から世界中で使われている素材です。
漆喰のメインの素材である「石灰」は、古生代・中生代の化石と言われ、海のサンゴや原虫などの生物が堆積し、地殻変動で隆起したものが石灰で日本各地に於いて産出されています。
漆喰は他の左官材料と違い、もっとも特徴が有るのは「硬化」の仕組みです。
一般的な樹脂を使った左官仕上げは、壁材に含まれている樹脂が膜を張ることで性能を発揮します。
ところが、漆喰には樹脂が含まれないものが一般であり「消石灰」が主成分となり、その硬化は水分の蒸発だけでなく空気中の二酸化炭素と結合し、徐々に硬化を進めます。
そのゆっくりと固まる事で漆喰の持つ「呼吸」「調湿」「吸着」の効果を生むのです。
漆喰の持つ「調湿」とは、空気中の水分を吸収すると共に排出します。
そのメカニズムは、漆喰の表面の多孔質の石灰粒子の一つ一つが空気中の水分を吸い取り快適な住空間とします。
また、「吸着」はシックハウス症候群の原因の一つ「ホルムアルデヒド」が漆喰の構成分子である「水酸化カルシウム」に反応し糖類に変化させます。
その様な性質を持つ「漆喰」を壁材として用いると、暑い夏は「漆喰」が湿気を吸収し室内の湿度を下げるだけでなく、発散時における気化熱で壁の表面温度が下がり壁からの輻射熱が下がり、人に快適さを感じさせるのです。
また、「漆喰」は時を重ねるごとに硬くなり完成時より性能がアップする事もメリットの一つでしょう。
デメリットとしては、物をぶつければ剥がれる・頻繁に水がかかると黒カビができ、液体が飛ぶと染みが付くなどがありますので、使う場所や日々の生活様式を十分考慮することが求められる素材でもあります。
その様な素材である「漆喰」を十分理解し快適な住まいづくりの選択肢としてみては如何でしょうか?
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