令和元年房総半島台風(第15号)における建築物の強風対策
【房総半島台風について】
2019年9月5日 南鳥島近海で台風となる
9月9日 千葉県千葉市付近に上陸
千葉市付近に上陸した時の勢力は中心気圧960hPa・最大風速40ⅿ/s
非常に強い勢力を保ったまま茨城県水戸市付近で海上に出たのち東に進んだ
屋根ふき材の被害としては、瓦屋根が全体の8割
令和元年房総半島台風において、住宅の屋根瓦等に大きな被害が発生したことを受け、
強風対策の充実と必要性について検討する為、専門家による調査が実施されました。
屋根ふき材の被害としては、瓦屋根が全体の8割と極めて多いことが分かりました。
さらに分析結果として、瓦屋根の施工は当時の建築基準法の告示(昭和46年建設省告示第109号)基準で「緊結対象」とはなっていない部分での被害が特に多く発生していた事が分かりました。
そこで、行政は建築物の屋根瓦に係る仕様基準(1955年に政令に規定、1971年に告示に移行)を改正し、業界団体が作成した「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」の仕様を義務化しました。
強風に対しての対策だけではなく、地震時に最も崩れやすい瓦屋根の棟の部分においては、屋根の下地である野地板にステンレスの特殊な柱を緊結し、更に鉄筋を組み込み棟の瓦材と堅固につなげる事で「耐震仕様」の屋根工事を提案している瓦屋さんもあります。
強風や地震により屋根瓦等が飛散しご近所にご迷惑をかけないように、みなさまも今一度ご自宅の屋根をじっくり見て異常がないかの確認をお願いします。
(注意:近年「近所で工事をしている者ですが、お宅の屋根に不具合が見られます」等の話をもちかけ必要のない屋根工事を持ちかける人たちがいる話をよく聞きます。万が一そのような話が来た場合、その場では依頼せず信頼のおける専門家に相談してください。)