火災発生のメカニズム
物が燃える為には①熱エネルギー ②可燃物 ③酸素が必要で、それを「燃焼の3要素」と言い一つでも欠けると燃えなくなります。そして、火災は、地震や台風などの自然災害と違い、人為的行為と自然現象の両方の要素を含む「複合要因災害」と呼ばれております。
自然発火による林野火災や地震による震災火災などの自然現象に基づく火災もありますが、大半の原因は故意または過失による人為的行動が原因と言われております。
今回は、住宅火災を含めた火災の種類と予防について学んでいきましょう。
●建物(住宅)での火災
- 出火の状況
近年の日本国内の出火件数・死者数はおおむね減少傾向であり、件数は2019年のデータにおいて10年前の73.7%、死者数は79.2%になっています。全火災の55.7%が建物火災で、も多くなっています。四季別にみると、ストーブなどの火気を使用する冬季が多くなっています。
- 火災による死傷者
2019年の火災による死者数は1,486名で前年より増加しており、1日当たりの死者数は4.1人です。負傷者は5,865人で、2005年度より減少傾向にあります。死因は火傷が最も多く、次いで一酸化炭素中毒・窒息となっています。死亡に至った経過は、深夜1~4時の時間帯が多く逃げ遅れが47.3%で、65歳以上の高齢者が70.0%を占めています。
- 出火の原因
2019年中の出火件数37,683件のうち、失火(過失のある火災)による火災は全体の73.5%となっています。出火原因別にみると「たばこ」が3,581件と最も多く、ついで「焚火」「こんろ」となっています。
●出火防止と対策
事前の出火対策としては、建物の耐震対策、家具等の転倒防止対策、消火器等の設置、感震ブレーカーの設置、2006年に義務化された住宅用火災報知器の設置などが挙げられます。
まずは、火を出さない事。出てしまった場合には出火を知らせる・消火する。その為に、上の表を元に行う事が大切です。また、地震や洪水等で避難する際は、必ず電気ブレーカーとガス栓を遮断するようにしましょう。停電等の復旧後、漏電や暖房等のスイッチが入る事により火災が発生する場合があります。
最後に、火災報知器が2006年に義務化されて、15年が経ちました。電池式の火災報知器はおおむね10年で電池が無くなる製品が多く設置されています。いざと言うとき作動しなければ意味がありませんので、ご自宅の火災報知器を一度確認してみてください。テスト用のボタンや紐がある製品が多く出回っておりますので、簡単に確認できます。
電池切れだったり、まだ設置されていない方がおりましたら、お近くの工務店等にご相談してください。火災から命を守る第一歩です。
次回の07では、「猛威を振るう新型コロナウィルス感染症」について学んで行きましょう。コロナ感染症は、人類を襲う大規模災害と言っても過言ではないでいと思います。命を守り、災害から生き残りましょう。