せっかく建てた我が家を侵食してしまう白アリ。
近年はその対策も発達していますが、一方で地球の気候変動などにより生息する白アリの種類も変わってくる可能性も考えなくてはいけません。そこで今回は、「白アリ」を知る、というテーマでお話したいと思います。
◆ひとこと解説◆
日本には4種類のシロアリが生息しています。地域によって生息している種類が違うのでご自身の地域の傾向と照らし合わせながらご覧ください。
地球温暖化が原因とされる気候変動の影響が顕著になってきている昨今ですが、実はシロアリの分布にも大きく影響するのが気候です。
日本ではヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリの4種類がいると言われています。東日本を含めた全国に分布するヤマトシロアリ、西日本の温暖な地域に生息し、被害の大きいイエシロアリ、輸入材から持ち込まれたとされ、乾燥した木材に潜入している「乾材シロアリ」の一種のアメリカンザイシロアリが各地に分布しており、奄美大島よりも南にダイコクシロアリが生息しています。
今回は特に、住宅への被害を大きく及ぼす可能性のあるイエシロアリについて説明します。
イエシロアリは巨大な巣をつくり大きな集団を形成しながら、住まいに甚大な被害を及ぼします。2004年当時は、イエシロアリは静岡県を北端として主に太平洋側の黒潮圏に分布していました。ところが、今では神奈川県、東京都、千葉県、茨城県の一部にも分布が広がっていることがわかっています(公益社団法人日本シロアリ対策協会ホームページより)。
また、イエシロアリは集団が大きく、いったん住まいを食べ始めると、被害の速度も早いため、事前の対策が重要になります。この10年で都内にも被害が広がってきていますので、シロアリ対策も厳重におこなわなければならなくなりました。
■外壁のメンテナスをすることも対策の一つ
対策の一つとして外装メンテナンスがあげられます。なぜ外装をメンテナンスする必要があるのかというと、「建物を風雨と紫外線から守る」ためで、特に建物内部の構造材、断熱材などを、水から守る意味合いが強いのです。建物内部が濡れてしまうと、そこからカビや木材腐朽菌の発生につながり、シロアリが好む環境をつくり出します。
シロアリは主に土の中に巣をつくり、そこから蟻道と呼ばれる通路をつくって、木を食害します。湿気がある密閉された環境を好み、特に温かいところが居心地がよいとされ、お風呂やキッチンの排水口の下などは要注意です。湿度の高い床下から木を食べ始め、内壁、柱へと侵入してきます。基礎のひび割れも格好の侵入経路となります。
夏の暑い時期の夕方に、大量に発生する羽アリに頭を悩ませたことはありませんか?
自分の目の前にいる羽アリが、家に被害を及ぼすシロアリだとしたら……不安になるのも致し方ないことです。
一般的な羽アリは、黒アリのことが多く、黒アリであれば家に被害を及ぼすことはありません。一方で、シロアリの場合は、羽アリが出た時点ですでに家に被害が及んでいる可能性が大きいです。一般的にシロアリは日光と風に弱いのと、羽アリが出る時期はアリの繁殖期なので、シロアリの羽アリが発生している時には、早急なシロアリ対策が必要です。
今回はここまでしたいと思います。
羽アリが出たらどうすれば良いのか?
木造住宅における基本的な対策は?
などは別記事でご紹介させていただこうと思います。