前回に引き続き木材の乾燥方法の中から、「くんえん」について詳しく書かせて頂きます。
「くんえん」と聞いて燻製食品などを思い浮かべる方が多いと思いますが、
今回は株式会社くりこまくんえんで行っている住宅に使われる柱や板材などの「くんえん処理」についてご説明させて頂きます。
◆木材の含水率を下げる「くんえん処理」
「くんえん処理」とは大型トラック約6台分の木材を一度に入れられる大きな倉庫のような燻煙プラントと言う建物の中で、製材工場での加工時に発生した端材などを燃やし熱源とします。端材などを燃やした煙でプラント内の木材を燻しながら含水率を下げるという方法です。
杉の木は80℃の温度を超える熱で乾燥させると繊維が破壊され木の本来持っている良さ(調湿効果や粘り強さなど)が減少してしまうと言われております。
その為、弊社のくんえんプラント内の温度は60℃以上にならないよう空気量などで調整し約10日間プラント内で燻し、ある程度含水率が下がった木材を次の工程(天然乾燥)へと進める事で木の持つ良さを残した木材ができるのです。
◆「くんえん処理」を導入している理由
- 化石燃料を使用せず、木材の含水率を下げることが可能である事
- 木材を燃やした際に発生するCo2は木が成長時に吸収したCo2なので、新たなCo2を増やさないカーボンニュートラルな乾燥だと言う事
- 害虫は煙の香りが嫌いなので薬剤に頼らない天然由来の防虫効果が期待できる事
など。
木材をご使用される時は是非、環境と健康に配慮して製造された「くんえん木材」を是非選択肢の1つにして頂けましたら幸いです。