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[用語解説]台所とキッチン

キッチンの語源

日本ではいつから台所のことをキッチンと呼ぶようになったのでしょうか?
今回は、台所とキッチンの語源を、世界の台所事情などの話しも交えながらお伝えしたいと思います。


◆ひとこと解説◆

台所は、呼び方はもちろん、歴史、国柄によってその利用方法は様々です。
へぇ〜こんな考え方もあるんだぁと、おもしろおかしくご覧いただければ
と思います。


 

 

■[用語解説]台所とキッチン

【台所とキッチンの語源】

日本語の「台所」の語源は平安時代の台盤所からきています。
台盤所とは、貴族たちが食生活を行うための部屋の総称で、配膳のための盤(現在の皿)を
乗せる台が置いてあったところからこの名がつきました。調理するための場所を「台所」と
一般的に呼ぶようになったのは中世になってからです。
一方、英語のキッチンの語源は、ラテン語のco-quina(火を使うところ)、古来語ではcycene(クチーナ)で、
これらが転じてキッチンとなったといわれています。

 

【日本での歴史】

江戸時代、食材や食器などの洗浄は井戸端や川辺で行い、それを家に持ち帰り、木製の流しを使って台所仕事が行われていました。明治時代になっても庶民の住宅の台所は、床上空間と土間空間に分かれており、床上に竈、土間に蹲踞(つくばい)式流しというのが一般的でした。そのため火や水を使うためには、しゃがみこまなければならなかったのです。大正時代になると、大正デモクラシーの風潮の下、台所改善運動が起こり、立ったままで調理を行えるようにすること、電気・水道・ガスの近代設備の整備が課題とされました。

実際に、ステンレスの流し台やシステムキッチンが登場したのは戦後になります。昭和31年(1956年)に公団晴海団地のDKに取り付けられたことから始まりです。それ以降、一般家庭にも急速に普及していきました。昭和40年代後半には空間や用途にあわせてキャビネットやユニットを選択できるシステムキッチンが登場しました。多様なキャビネットや
ユニットによって並び替えが自由になったことから、スペースの有効利用すること、必要な用途に合わせて機能的な収納をつくること、好きな色やデザインを選ぶこともできるようになりました。

(出典)キッチン・バス工業会  キッチンの歴史

 

【屋内キッチンが一般的でない国も!?】

今の日本では、キッチンがついていない家というのはめったに見かけませんが、
国が変われば住宅事情も異なるものです。

私が、2001年から約1年間住んだことのあるタイでは、キッチンがついていない家が珍しくありませんでした。実際に住んだマンションの1室(ワンルーム)も、洗面台はありましたがキッチンや流し台はありませんでした。タイでは価格がお手頃な外食が根付いているため、食堂や市場でテイクアウトして家で食べることが多いのです。料理が好きな現地の方の一軒家にお邪魔した際には、自炊ができるようガスコンロや流し台が屋内ではなく屋外のテラスのような所にありました。「設置してある」というよりは「置いてある」という状態に近く、日本とは違うキッチン事情に驚いたものです。
このように、国によって住宅事情は違います。キッチン以外の住宅事情も調べてみると面白いかもしれませんね。

 

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