大規模災害が発生した際、ニュース等で「罹災証明書の発行を役所で・・・」という話題をよく聞かれますが「罹災証明書」って何?とおもわれている方も少なくないと思います。
今回は、被災者支援策の第一歩「罹災証明書」についてお話したいと思います。
「罹災証明書」とは、
【災害対策基本法第90条の2】
市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の被災者から申請が有った時は、遅滞なく、住家の被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、罹災証明書(災害による被害の程度を証明する書面)を交付しなければならない。
この罹災証明書は東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策基本法の2013年改正によって正式な法定事務となりました。そのことから、市町村では地震等により被災した場合は、建物について余震等による倒壊や落下等の危険性を災害後速やかに判断する「応急危険度判定」が行われます。「応急危険度判定」は応急危険度判定士(建築士等の資格を持つボランティア)によって行われるのでその判定結果はあくまでも勧告で法的拘束力はありません。
- 罹災証明の効果
罹災証明書は各種被災者支援策である
・給 付 :被災者生活再建支援金、義援金 等
・融 資 :(独)住宅融資支援機構融資、災害援護資金 等
・減免・猶予:税、保険料、公共料金 等
・現物支給 :災害援助法に基づく応急仮設住宅、住宅の応急修理 等
等の適用の判断材料として幅広く活用されます。
- 被害調査
被害調査は、自治体の職員が実施して被害の種類や大きさを判定します(被害認定)。
認定は1次の外観目視でほぼ決まりますが、この認定に不服があるときは、建物内に入り調査を行う2次調査を申請できます。更に2次調査に不服があるときは再調査を申請できます。
- 被害の認定
被害の種類や大きさは、全壊、大規模半壊、半壊、全焼、半焼、床上浸水、床下浸水などがあります。被害認定で、その後の受けられる各種支援の程度が変わってきますので、十分注意が必要です。建物の再建に於いては被害認定の程度にかかわらずど、修理して住み続けるかどうかなど、十分な検討を行ってください。
地震や大雨・台風や竜巻などいつ自分たちが大規模災害に合うかどうか分かりません。
常日頃から防災に関する高い意識と準備、そして最新の情報を知ることで《いざ》というとき、少しでも最善の判断に近づける行動がとれると思います。