気象災害・風水害による災害発生のしくみ
最近の日本列島は、巨大台風や局地的大雨に襲われており、甚大な被害が発生しています。
2019年の千葉県に大きな被害をもたらした台風19号や、2021年の熱海を襲った大雨などは、記憶に新しいと思います。
ゲリラ豪雨や線状降水帯など一度は耳にした事があると思いますが、気象現象について改めて学んでみましょう。
- 地球温暖化と異常気象
二酸化炭素を代表とする温室効果ガスは、熱が宇宙空間に逃ないように必要な物質であるが、多すぎると気候変動を招くと考えられており、過去80万年間で前例のない位増加しています。2018年~2019年のCO₂の増加量は最近10年間で最高を記録しています。
今世紀末には、世界の温度が0.3℃~4.8℃上昇、海面水位が26cm~82cm上昇し、気象変動に伴い、極端な高温や熱波、大雨の頻度が増加する可能性が高いとされています。
近年、マスコミ等の報道により、ゲリラ豪雨や線状降水帯などの言葉を耳にした事があると思いますが、これも気象変動が原因とされています。
ゲリラ豪雨 : 地球温暖化や大都市のヒートアイランド化などが原因となって起こる、
局地的で突発的な予測困難な豪雨
線状降水帯 : 積乱雲の大気下層に新たに積乱雲が次々と発生し帯状に連なり、
同一地域に長時間にわたり大雨を降らす現象
エルニーニョ現象 : 太平洋東部赤道域における海水温度が高くなる現象。
東日本西日本で暖冬になる。
ラニーニャ現象 : エルニーニョ現象とは逆に、海水温度が低くなる現象。
西日本と南西諸島が冷夏になる。
- 台風と風雨の被害
太平洋赤道付近の暖かい海水が蒸発して発達した積乱雲の集合体であり、北半球では、反時計回りの回転をして、強い雨と風を伴う熱帯低気圧である。
中心付近の風速が17.2m/s以上になると、熱帯低気圧から台風へと呼び名が変わります。
台風と風: 台風の強さは風速であらわされ、
強い(33m/s~44m/s)
非常に強い(44m/s~54m/s)
猛烈な(54m/s)以上 の三段階で表されます。
台風の大きさは
大型(風速15m4/s以上の半径が500km~800km)
超大型(上記の半径が800km以上) の二段階で表されます。
風速は、10分間の平均速度を基準にします。突風と言われる最大風速は、
1.5倍~3倍に達することがあり、暴風域に入る前から思わぬ突風に襲われる場合があります。
台風と雨: 台風の中心付近には濃密な積乱雲が渦巻いていて、風を伴った強い雨を降らせます。
台風の雨雲だけでなく、周辺の湿った気流が強い雨を降らす場合もあり、
本体の接近前から注意が必要になります。
台風と高潮: 台風の中心付近は気圧が低く、1hPa(ヘクトパスカル)下がると海面が1cm上昇する(吹上効果)。
さらに、台風の東側は南風が強く海水を陸地側に運ぶ。(吹き寄せ効果)
こうして、海面の水位が護岸より高くなり、高潮が発生する。
加えて、大潮のタイミングと重なると、高潮が大きくなり、さらに注意が必要となります。
近年、日本列島を襲う気象災害は、規模が大きく被害も甚大で回数も増加しています。
地球温暖化が原因の一つとされている以上、温室効果ガスの排出を減らす事が重要に
なります。低炭素社会の実現に向けて、小さなことから日々実践して行きましょう。
次回のテーマは、「土砂災害による災害発生のしくみ」です。
災害から命を守る為、災害について学んで行きましょう。